中野区を例にした6つの避難対策と重要課題 | いでい良輔(出井良輔)

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中野区を例にした6つの避難対策と重要課題

東京都では、318万人の避難所が用意されています。震災の状況によっては、自宅避難を余儀なくされる可能性があります。食品や避難対策の備品は準備していますか?

※いでい良輔instagramアカウント及び公式LINEアカウントにて590人の中野区に住んでいる人を対象にアンケート(回答数:590件)

都民であるあなた自身が、そしてあなたの家族が実際に震災にあった時に、避難所に入るべきなのか?もしくは、自宅が倒壊していなければ自宅避難をした方がいいのか理解されていますか?
震災があった時に、重要なことは備えです。
必要物資の貯蔵はもちろん、誰を頼りにすれば良いか明確にしておく必要があります。
スマートフォンが使えなかった時に、どこにいけば良いのか。
日頃聞きなれない、地域防災会や広域避難場所に対しても一定の理解をしておくことだけでも、災害が起きた時に、冷静に対応することができます。

実際に、各自治体の防災計画や避難方法などは作られていますが、どこにアクセスすれば、適切な情報がまとまっているかわからない方が、ほとんどかと思います。

この記事では、東京都中野区の場合を例に震災時の避難方法や対応について、まとめを書きました。

※防災には様々な考え方があります。専門家の方や、実際に被災された方で「さらに良いアイデアがある」、「こんな時はこんなことをした方が良い」などがあれば、ぜひこちらまでご連絡ください。

1.自分が避難する時に、まず何を確認すれば良いのか?

耐震基準を満たしている建物の場合は、在宅避難が推奨されています。避難所の方が安心できると思う方もたくさんいらっしゃると思いますが、理由としては、こちらの記事でもあった通り、約320万人しか避難所の収容人数がありません。その場合に、在宅避難をせざる得ない状況が発生します。

中野区には43の避難所と、13の広域避難場所があります。
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/bosai/jishin-hassei/bosaichizu.files/nihob.pdf

在宅避難を推奨はされていますが、何が起きるかわかりません。
あなたが、どこに避難すれば良いか、必ず事前に確認してみてください。

2.耐震基準について

耐震基準には大きくわけて、年代ごと基準が変わります。
旧耐震基準(1950年〜)、新耐震基準(1981年〜)、現行の耐震基準(2000年〜)があります。年代だけで判断すべき問題ではありませんが、築浅でない物件にお住まいの方は、避難所、避難場所での避難を視野に災害対策を考えてください。

3.在宅避難対策について

東京都が推奨する備蓄を参考にすると、約一週間分の水分と食料品を準備するとされています。一週間分の水と食料の例は下記になります。

安全な場所の確保:

家具の固定や窓ガラスの飛散防止対策を行い、地震などの災害時にも安全な居住空間を確保します。住み心地の良いレイアウトも重要ですが、災害時のことも、視野に入れて模様替えを検討してみてください。

非常用品の備蓄:

飲料水、非常食、懐中電灯、予備の電池、ポータブルラジオ、簡易トイレ、必要な医薬品など、最低限必要な非常用品を備蓄します。

量を考慮しなければいけない水と食料ですが、東京都が推奨する備蓄を参考にすると、約一週間分の準備が推奨されています。一人当たり1日に約2リットルの飲料水が推奨されてますので、一週間分の水は約14Lとされています。

※実際の必要量は、年齢、性別、健康状態、活動レベルなどによって異なるため、これらを考慮して調整してください。

情報収集手段の確保:

災害時に正確な情報を収集できるよう、ポータブルラジオやスマートフォンアプリなど、複数の情報収集手段を用意しておきます。

家族との連絡計画: 

家族内で災害時の連絡方法や集合場所を事前に決めておきます。

4.高齢者の方とご家族

中野区の高齢者の人数は、67,532人(令和4年4月時点)。避難所で生活をする場合、日頃の生活より不便な生活が予想されます。高齢者の方が避難される場合は、特に厳しい生活が予想されますが、自宅避難をする場合でも不安がついて回ります。事前に親族や、友人の方などと災害時に共同生活をすることについてお話をすることをおすすめします。
また、事前登録をすることで、災害時に支援を受けられる災害時要支援者という制度があります。

5.妊婦、乳幼児のいるご家庭、障害者の災害時要支援者について

この制度は、自然災害が発生した際に、避難行動や日常生活において特別な支援や援助が必要な人々のことを指し、実際にその対象の人を支援する仕組みがあります。
しかし、支援を受ける場合には、地域の支援システムに登録しておくことが推奨されます。事前登録が、推奨とされていますが、災害時に登録することは困難です。もっとこの登録についても広めていかなければいけません。
このシステムを知らない人もたくさんいらっしゃると思います。
自身の環境に不安が少しでもある方は、災害時要支援者の概要と登録方法について必ずご確認ください。

6.避難における重要課題:避難対策の実現性

ここまでに綴った内容は、避難対策の一端です。いわば入門編のような部分だけを書き出しています。しかし、この一端であっても避難対策の実現性については、課題がたくさんあります。
耐震基準が満たされていても実際に震災が起きた時に、住んでいるマンションに住めなくなるようなことがあった場合に避難所がパンクしないのかどうか不安になります。

在宅避難においては、1人あたり14Lの水を用意するとなっていましたが、3人家庭であれば、42Lの水を常に用意しておく必要があります。
私の家庭は4人の子供がいて、妻を合わせて6人世帯なので、飲料水を82Lの水を常に常備しておかなければいけません。常に2Lのペットボトル41本分を自宅に保管することは現実的でなく、もし可能にするのであれば、常にバスタブに水をはり、その水を濾過して飲料水にできる技術を導入することが思いつきます。この対策を全世帯に導入することは、現実的ではありません。

30年以内にマグニチュード7程度の首都直下地震が発生する確率は70%と言われています。
さらに解像度をあげた現実的な対策を自治体が行い、現状できていない周知の徹底を行っていかなければいけません。

近年想像を越える震災が日本で起きています。そんな震災に対策をする為には、想像を越える対策を実施しなければいけません。それには、今までのルールや規制を超えるために、政治の力で推進していかなければいけないと考えています。

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